起業、会社設立、事業計画書、契約書、社内規程、インターネット、法務、中小企業支援。愛知県、名古屋市、豊田市 井藤行政書士事務所

 創業時に公的資金による融資を受けたいと考えている人が、
  起業に備えて準備すべきこと

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会社設立、独立、起業、開業と新会社経営
第23号(2009/07/20)
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こんにちは。行政書士の井藤です。
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当マガジンでは、「将来の独立、開業、起業を考えている方」、「既に起業準備に入っている方」、「起業後まだ日が浅い方」
「新規事業を考えている方」その他、「起業と経営に興味のお持ちの方」を対象に、
起業や会社経営に役立つ、実践的情報を発信して行くことを目標としています。

今回は、「創業時に公的資金による融資を受けたいと考えている人が、起業に備えて準備すべきこと」について考えてみたいと思います。

◇第23号のメニューはこちらです
(1)創業時に公的資金による融資を受けたいと考えている人が、起業に備えて準備すべきこと
(2)編集後記

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(1)創業時に公的資金による融資を受けたいと考えている人が、起業に備えて準備すべきこと

■ 公的資金の融資申し込みには条件があり、その条件を満たす為には、事前準備が必要です。
従って、起業準備段階からこのことを知っておく必要があります。

当事務所では、創業時の公的資金による融資申込みのお手伝いをしております。
その際に、よく問題となるのが、依頼先の方が、公的資金融資の申込基準を満たしていないことです。
申込基準を満たしていないと、借りられるか借りられないかの審査を受ける以前に、申込みを受け付けてもらえません。
また、申込基準には、後で、簡単に満たすことができない事項もあります。
従って、創業時に公的資金による融資申込みが必要な方は、起業準備の段階からこれらの基準を頭の中に置いて、
計画を進めて行くことが大切です。

■公的資金の融資申し込みには申込条件があります。

創業時資金の一般的な借り入れ先、政府系の金融機関である日本政策金融公庫国民生活事業(国金)と、
地方公共団体と全国の信用保証協会による保証制度があります。
どちらの制度を利用するにしても、条件があります。
創業時の借り入れのためには、事業計画や経営者自身のヒアリング等書類審査等、審査で合格しなければ融資を受けることができません。
このような審査に受かることが条件です。
この点は、ご存じの方も多いと思われますし、仮に、知らなくとも、予想がつくことだと思います。
しかし、ほかにも重要なことがあります。
審査に受かることの前に、必要な条件があるのです。
創業時の融資申請において、審査に合格する以前に、必要な条件とは?
融資の申請に対する応募条件をクリアできることです。
上記の借り入れ制度は、国や地方自治体による政策的な融資の意味を持っており、この制度の応募対象者が決まっています。
従って、どんな有能は経営者であっても、どんなに素晴らしい事業計画であっても、
プレゼンテーションや面接審査を受ける以前の応募条件がクリアできなければ、審査の対象にしてもらえません。
言わば、受験資格のようなものです。
この受験資格を得るためには、起業・創業の準備の段階から計画的に進めて行かなければクリアできません。
場合によっては、創業の1年以上前から準備が必要かも知れません。

■公的資金の融資申込条件とは

創業時資金借入申込みに対して、大切な応募条件は以下の2点です。
1)新規創業または新規創業後一定の期間内の事業者または会社であること
「新規創業」の条件をクリアしていることが大切です。

2)融資申込み金額の1/2〜1/3の自己資金が用意されていること
「自己資金」の条件をクリアしていることが大切です。

■新規創業であると認められる条件とは

1)新規創業または新規創業後一定の期間内の事業者または会社であること
申請する事業主または会社経営者が「新規創業者」の条件をクリアする必要があります。
具体的には、申請する事業主または会社経営者が、創業前に事業主であったり、他の会社の経営者であった場合は、「新規創業」とは見なされずに、「既存の事業者の新事業」と判断されてしまい、「新規創業者用の融資」は受けることができません。
(代わりに、既存事業者用の融資を申請することはできますが、既存事業の実績が審査に大きく影響し、ハードルが高くなります)
また、既存事業者や既存の会社が株主になっている場合も注意が必要です。
既存事業の実質子会社や関係会社と判断される場合も、「新規創業」とは判断されません。
創業資金の融資を申請しようと考える場合は、事業を始める以前、会社を設立する以前に、誰が自己資金を出し、誰が役員になるのかを、計画的に決め、実行して行く必要があります。

■自己資金の条件とは
2)融資申込み金額の1/2〜1/3の自己資金が用意されていること
「自己資金」の条件をクリアしていることが大切です。
創業時融資申請の際の「自己資金」とは、「返さなくて良いお金」と定義されています。
例えば、個人で銀行や他人から借入をして出資した場合、会計上は資本金とすることができますが、「返さなくて良いお金」ではないので、自己資金として認めてもらえません。
この「返さなくて良いお金」かどうかは、厳密にチェックし判定されます。
例えば、資本金の払い込み口座の前の口座へ順次遡り、原資がどこから出ているかがチェックされます。
さらに、原資がどこから出ているか不明の資金については、「返さなくて良いお金」とは判定されない可能性が高いと思われます。
例えば、「資金を現金で貯めており、その現金を口座に入金した」と言っても、「本当の出どころが明らかでない」と判断されてしまう可能性が高いと思われます。
従って、事業資金を用意する際には、起業準備段階から専用の口座を設け、お金の出入りを明確にしておくことが大切です。

(2)編集後記

今回は、創業時に公的資金の融資を検討される方を対象に、事業の計画段階から知っておいた方がよいことを2点に絞ってお伝えしました。
今回、取り上げた、「新規創業」の定義をクリアすること と「自己資金」の定義をクリアすることは、本当によく問題となる事項です。
また、日本政策金融公庫国民生活事業(国金)や信用保証協会の担当者は、この2点について厳しくチェックを行いますので、
条件を満たしていない場合にはチェックを免れる方法はないと考えた方が良いでしょう。

せっかくの起業。上手く行うために、計画的な準備のチェック項目のひとつに今回取り上げた内容を追加して頂くことをお薦めします。
最後になりましたが、皆様の、ビジネス、健康、生活が豊かなものとなりますことを祈っております。

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発行元  行政書士井藤事務所  井藤真生
事務所e-mail    gyosei@fullstage.jp
事務所HP  http://www.itoh.fullstage.biz/
〒471-0063  愛知県豊田市京町3−111−1
※ご意見・ご感想等は gyosei@fullstage.jp  まで、お気軽にお寄せください。

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