クーリングオフ(特定商取引法)とは

井藤行政書士事務所
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クーリングオフとは

クーリングオフとは、訪問販売や電話勧誘販売など特定の取引方法で契約した場合に、
いったん申し込みや契約をした後でも一定の条件を満たせば、
消費者が一方的に契約をやめることができる制度です。

一般の契約は申込みと承諾により成立します。
いったん契約が成立すると、一方の都合だけでは、申し込みを撤回したり、
契約を解除することはできません。 しかしながら、消費者保護の立場から、
「特定商取引に関する法律」に基づき規定された特定の取引については、
クーリングオフが認められています。

法律(特定商取引法)の対象となっている販売方法とクーリングオフ可能期間

以下の販売方法については、「契約内容を明らかにする書面」の交付が義務づけられており、
クーリングオフできる期間は、「契約内容を明らかにする書面」を受け取った日からの日数
(日数計算には書面を受け取った日当日を含みます)により定められています。

1)訪問販売

(対象)原則全ての商品やサービスを対象 
(クーリングオフ期間)書面を受け取った日から8日間

訪問販売とは、無店舗販売の一種で、販売業者のセールスマンが一方的に消費者宅に訪問し、
訪問先で商品(権利、役務を含む)の販売活動を行う小売形態を言います。
法律(特定商取引法)では、一般的な訪問販売に加え、キャッチセールス(消費者を呼び止めて
営業所等に同行させて契約させる)、アポイントメント商法(特別に選ばれたなど他の者に比して
著しく有利な条件で契約できると誘引して、営業所等に呼び出して契約させる)、催眠商法など
のセールスマンの訪問がないものも「訪問販売」としています。

2)電話勧誘販売

(対象)原則全ての商品やサービスを対象
(クーリングオフ期間)書面を受け取った日から8日間

電話勧誘販売とは、電話で勧誘し、申込を受ける販売です。
1.事業者が電話をかけて勧誘を行い、その電話の中で消費者からの申込み
(または契約の締結)をした場合に加え、
2.電話を一旦切った後、郵便、電話等により消費者が申込みを行った場合でも、電話勧誘に
よって消費者の購入意思の決定が行われた場合は要件に該当します。
3.事業者が、欺瞞的(ぎまんてき)な方法で消費者に電話をかけさせて勧誘した場合も該当します。

3)特定継続的役務提供販売

(対象)エステ、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚相手紹介サービス
(クーリングオフ期間)書面を受け取った日から8日間

定継続的役務提供販売とは、塾、エステなど一定期間、継続的に役務提供を受ける必要があるものを言います。
クーリングオフの対象としては、以下の6つに限定されています

(1)エステ
美顔、痩身、脱毛など。
契約期間が1か月を超え、契約金額が5万円を超えるもの

(2)語学教室
外国語に限定されず、日本語会話も含む。
契約期間が2ヶ月を超え、契約金額が5万円を超えるもの

(3)学習塾
資格取得講座などは含まれません。
契約期間が2ヶ月を超え、契約金額が5万円を超えるもの

(4)家庭教師
自宅訪問だけでなく、郵便、電話、FAX、インターネット通信での添削指導も含む。
契約期間が2ヶ月を超え、契約金額が5万円を超えるもの

(5)パソコン教室
パソコンの操作に関する知識や技術の教授。
契約期間が2ヶ月を超え、契約金額が5万円を超えるもの

(6)結婚相手紹介サービス
結婚を希望する者への異性の紹介。
契約期間が2ヶ月を超え、契約金額が5万円を超えるもの

4)連鎖販売(マルチ)

(対象)原則全ての商品やサービスを対象
(クーリングオフ期間)書面を受け取った日から20日間

連鎖販売とは個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させる形で、
販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務の販売で
1.物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
2.再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
3.特定利益が得られると誘引し
4.特定負担することを条件とする取引(取引条件の変更を含む。)
をするものをいいます。

5)業務提供誘引販売取引

(対象)原則全ての商品やサービスを対象
(クーリングオフ期間)書面を受け取った日から20日間

業務提供誘引販売取引とは、「内職商法」「モニター商法」といわれる商法のことです。
「仕事を提供するので収入が得られると誘い、仕事に必要であるとして、
商品等を販売する」取引を言います。

クーリングオフ手続きに関する注意事項

1.クーリングオフできる期間の計算では、書面を受け取った日当日を含みます。
(例:10月1日に書面を受け取った場合、10月8日が期限です)

2.期間内に通知書を発信すればよく、相手に通知が届くのは期限後でも構いません。

通信販売に関して

通信販売については、返品特約表示(返品の可否、返品の条件、返品に係る送料負担の有無)
が義務付けられており、業者表示の返品条件に従うことになります。
ただし、返品特約に関する記載がない場合、購入者が商品等を受け取った日から8日以内は
「送料を消費者が負担する」ことにより、契約解除を行うことができます。

クーリングオフができない場合

以下の場合はクーリング・オフ期間内でもクーリング・オフができません。

1. 3,000円未満の商品等を現金で購入した時
2. 乗用自動車(乗用自動車は特定商取引法の指定商品ですが、ク-リングオフの適用除外品です)
3. 訪問販売等であっても、使用・消費した消耗品(化粧品、洗剤など)
4. 営業目的の取引(クーリングオフは消費者を対象とした取引のみが適用となり事業者間の取引は対象となりません)

クーリングオフは内容証明郵便で

クーリングオフは相手方に書面で解除または撤回を通知しますが、
後日通知が届いた、届いていないの紛争を招かないよう、
内容証明郵便で行うことが望ましいでしょう。

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